第18回メディア芸術祭シンポジウムに出演します


社会学者の毛利嘉孝さんがモデレーターを務めるシンポジウムで、昨年夏にサンパウロで開催されたFILE 2014へ日本からの企画展の出展報告とメディア芸術の現況についてトークに参加します。
芸術とエンターテイメントの中間領域について話すべきことはたくさんありすぎるのですが、今回の話は──あくまで僕個人としてですが──昨年企画したシンポジウムで「メディア芸術」出現前夜の現代美術とオタク文化の連関に光をあてたことにつづく話だという気もしています。
そもそもメディア芸術祭が始まったのは18年前の1997年。まだインターネットや携帯電話が普及し始めたばかりの時代から、スマートフォンタブレット端末が普及した現在まで、メディア環境がめまぐるしく変化するなか、電子メディアを手法としメディアそのものを主題とした芸術表現も大きく変わり、「メディア芸術」という概念自体は当初想定された目的地を通り越してとっくに違う路線に乗り入れながら、乗客も入れ替わりながらも同じ車両で運行を続けているように見えます(この鉄道のたとえは一体なんなんだと思うかもしれませんが、東海道線高崎線とつながって湘南新宿ラインが走り、みなとみらい線東急東横線とメトロ副都心線東武東上線が一本につながって埼玉の森林公園から横浜中華街まで乗り換えなしで行けるように、アートとエンタメの相互乗り入れが「メディア芸術」ラインによって実現した、という話。首都圏ローカルな鉄道の話はわからなかったら読み飛ばしてください)。
で、何を話そうかと考えているわけですが、鉄道以外の野山から海岸までの地続きの地形のなかで道無き道を行くメディア表現者や、その上空で繰り広げられるメディアの戦争のことまで話題が拡げられたら、いや時間的に難しいかもしれないな、といままさに思案中です。


文化庁メディア芸術祭海外活動報告 ー グローバル化の中のメディア芸術」
第1部「変容するメディア芸術:芸術とエンターテイメントの〈間〉に」
ブラジル「FILE」での企画展示「Where Heaven meets Earth (天と地の出合う場所)」日時:2月14日(土)13:30-15:00会場:国立新美術館 3階講堂出演:楠見 清 「FILE2014」企画担当ディレクター/首都大学東京准教授
   
三原聡一郎 「FILE2014」出展作家
   
宇川直宏 エンターテインメント部門審査委員/現在美術家/京都造形芸術大学教授/DOMMUNE主宰モデレーター:毛利嘉孝 事業アドバイザー/東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科准教授

詳細と事前予約=第18回文化庁メディア芸術祭公式ホームページ:開催シンポジウム一覧