この本のしおりは捨ててはいけない

高岡重蔵著『欧文活字』(烏有書林)について、『リアルデザイン』2010年11月号に書評を書きました。題して「活字を知る者が美しい書物をつくる──懐古趣味ではなく活字文化からデザインを考える」

本書についての詳しいこと、そして僕が考えたことは書評記事を見てもらいたいので繰り返さない。ここでは写真で紹介しよう。

新装版巻頭には著者高岡重蔵の仕事を受け継ぐ息子高岡昌生による活版原版刷作品を収録。「印刷術は思想に影響を与え、真実を広め、愛を育む大きな力」、詩人ワーズワースによる一節。

新装版巻末付録として著者高岡重蔵が1942年に制作した欧文タイポグラフィ習作『My Typography LIGHT UP, WON’T YOU?』を収録。

同じく著者が1973年に制作したカラー刷作品集より。

そして、烏有書林の栞には「No paper, no ink, not a book」とあることに注目。そう、この栞は捨ててはいけない。──No paper, no ink, not a bookmark.
この本は「ブックマーク」のもともとの意味とかたちを手にした人にリマイドさせる。

欧文活字

欧文活字

Real Design (リアル・デザイン) 2010年 11月号

Real Design (リアル・デザイン) 2010年 11月号