[t-shirt] ジダンという身体コミュニケーション

donburaco2006-07-20

胸にターゲット印と ZIDANE ME HERE! の文字。
私のここをジダンして!
ここでの ZIDANE はもはや動詞なのだ。「ジダって!」とか「ジダれ!」と訳すべきか。


W杯決勝(7/9)の終了直後からYouTube上では世界各国語のアナウンスの入ったジダンvs.マテラッツィの頭突きシーンの録画がつぎつぎとアップされ、翌日にはそのリミックス映像が氾濫。その後、複数のリミックスからの断片をさらに誰かがリミックスするという馬鹿リミックスの連鎖が連日続いている。
個々の短編映像は小さく軽いが、総体的に見れば巨大なアノニマス作品といえないこともないかもと思いつつも、それらとは一線を画するこの映像を見つけた瞬間、驚喜した。なんてすてきなオマージュ映像だろう!


「A new way to solve problems(問題解決のための新しい方法)」と題されたこのショート・ビデオの中身は、馬鹿らしく他愛ないものだが、何よりもジダンへの慈しみと優しさに溢れている。いや、ジダンばかりではなくマテラッツィに対しても。そう、ひいてはあらゆる暴力に対する慈悲とこの世界のすべてを肯定しようとする強い意志にすら満ちている。
行為によるコミュニケーションの本質を抽出するという意味では、フルクサスのイベント・ピース(たとえばオノ・ヨーコの「壁に頭を打ち付けよ」)をも連想させてくれる。


作者はbrainpool-mediaというオーストリアのデザイナー集団。http://www.brain-one.at/


この映像は7/12にはYouTubeにアップされていたので、製作期間はわずか3日ってとこか。
さらに一週間経った昨日、彼らのHPをもう一度のぞいてみたら、早速ジダンTシャツのネット通販が宣伝されていた。
デザインはターゲットスコープ型と弾痕タイプの2種。値段は15ユーロ。