立川の自転車タクシー

donburaco2008-08-20


以前から自転車をめぐる諸問題と自転車による問題解決に興味をもっているのですが、少しずつニュース記事のスクラップを始めます。


自転車タクシー発進 立川 市民有志が営業 排ガスなし 初乗り300円 【読売新聞】

(写真)立川市内を走る「自転車タクシー」(19日、曙町のサンサンロードで)
 JR立川駅周辺で、人力で客を運ぶ「タクシー」が走っている。クラシックカーを模した三輪自転車で、初乗り料金は300円。自動車が入れない路地にも入ることができ、排ガスはゼロ。そんな環境に優しい自転車を活用したまちづくりを進めようと、市民有志が運営を始めた。警視庁交通部によると、「自転車タクシー」の営業運行は多摩地区では初めて。
 運行しているのは、立川市NPO法人「ヒューマンサポートジャパン」。もともとは馬による癒やしの普及を目的としているが、同市内で広告関係の会社を経営するメンバーの村上英徳さん(46)が「自然に優しい自転車を活用して、市民に密着した足を作りたい」と今年1月から事業を練り始めた。
 オリジナルの車両は静岡県内の自転車メーカーに委託し、主に鉄とFRP(強化プラスチック)で作られている。1台あたりの製造費用は約100万円。現在、3台を所有する。幅は約1メートル30、長さは約2メートル60、高さは約1メートル90。重量は約100キロ。定員は運転手を除いて2人。お年寄りが乗りやすいように、ステップを地上から約20センチと低くしている。7月26日から運行を始め、9月から本格的に取り組みたいとしている。名称は「スマイルタクシー」。自転車タクシーは、道路交通法では軽車両にあたり、道路運送法に基づくタクシーとしての許可も必要ない。運賃は初乗り(500メートルまで)300円、500メートルを超えると100メートルごとに50円が追加される。行き先を告げると、運転手が地図で経路の距離を求め、運賃を計算する。時間による加算はない。予約すると、送迎もしてくれる。
 当面、運行時間は午前9時〜午後6時で、JR立川駅前が中心。今のところ、村上さんを含む自営業者3人が時間を見つけて乗っている。1日あたり、「近すぎてタクシーに乗るには気が引ける」という年配の女性ら30人ほどの利用があるという。村上さんは「どれだけ市民に使ってもらえるかが今後の課題」と話している。映画を家族と見るために立川駅に来た小平市、小原彩瑚(あやこ)ちゃん(5)は、「風が涼しくて気持ちよかった」と喜んでいた。問い合わせは村上さん((電)042・848・1430)へ。[2008年8月20日

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自転車による旅客運搬サービスは近年ドイツ発祥のヴェロタクシーが注目を集めており、日本でもすでにいくつかの都市でエコロジー時代の新しい交通システムとして、そして新しい地域ビジネスとして根を張りつつあるが(ベロタクシージャパン)、今回の立川の自転車タクシーはそのヴェロ型の高性能な車両(前1輪+後2輪、ドライバーが前でお客は後部座席、キャノピー付き)ではなく、むしろ旧式のシクロ型(タイやカンボジアでポピュラーな前2輪+後1輪、お客さんが前に乗車する自転車タクシー)に倣ったオリジナル制作車両を用い、イメージ的には未来的なヴェロに対してむしろレトロな風貌で高齢者の利用促進を目指しているに違いないことに注目したい。
 
▲左:ドイツのヴェロタクシー(photo: dontworry)、右:カンボジアのシクロ(photo: Erik Hooymans いずれも出典=Wikimedia commons)


ちなみに自転車タクシーのことは海外ではcycle rickshawと呼ばれるが、その語源は日本語のリキシャ(力車)にある。ウソのようだがホントの話で、試みに「rickshaw」で画像検索をかけてみると、古今東西さまざまな人力車や自転車タクシーが閲覧できる。人力で走る交通手段は発展途上国ではずっと生き続けてきたし、脱石油時代の今再び新たな役目を担いつつあることがよくわかるだろう。


おまけ。自転車タクシー用の車両、なんとネットで買えるんですね。
たとえばこれ。”クリスティーナ” 三輪自転車タクシー http://topseller.jp/store/member/eproducts/ttaxi.html