柳宗理と栄久庵憲司


『リアルデザイン』No.59(2011年5月号)のBOOK欄(p.24)で『柳宗理 エッセイ』と栄久庵憲司『袈裟とデザイン』の2冊を並べて書評をした。

それぞれ戦後日本を代表するインダストリアル・デザイナーだが、ふたりの接点は意外なことにあまりないのではないか。調べた限りでわかるものは横浜市営地下鉄(1973年、駅構内設備設計=柳宗理、サイン計画=GKデザイン、カラー計画=粟津潔)くらいしかないのだが、ふとわが家のキッチンにふたりの作品が並んでいることに気が付いた──醤油用の容器である。

わが家では栄久庵憲司キッコーマン醤油びん(1961)は調理用に使われ、柳宗理白磁の醤油差し(1956)は食卓で客人をもてなし、ともに使い終わるとキッチン台に並べて置かれる。とくに意識していたわけではないが、ふたつ並んだ姿も美しい。



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Real Design (リアル・デザイン) 2011年 05月号 [雑誌]

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